トランスフォーマーコンボイの謎とは何か?
「トランスフォーマーコンボイの謎」はタカラ社(現タカラトミー)から1986年に発売されたファミコンゲームソフトです。
タカラ社としては初のファミコン参入作品になります。
同社が発売していたおもちゃ「トランスフォーマー」シリーズと放映されていたアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」シリーズをゲーム化した作品となります。
自動車などが人型ロボットに変形する玩具のシリーズですね。
後にハリウッドで映画化もされています。
主人公はウルトラマグナスというロボット(生命体?)です。
司令官であるコンボイの副官という設定になっています。
全10面で、ステージによって縦スクロールになったり、横スクロールになったりするアクションゲームです。
難易度の高いゲームとして知られています。
難易度が高いのは敵の放つ弾が非常にドットが小さく、背景と重なって見えにくいことが大きな原因です。
敵弾を一発受けただけで爆発するのですが、プレイヤーはなぜ自機がやられたのかさっぱりわからないのです。
それがゲーム開始直後に起こるため、「開始2秒ほどで死ぬゲーム」という異名があります。
クソゲーの扱いを受けています。
「難しかったゲームベスト10」などの企画では、「たけしの挑戦状」の次くらいに挙げられることが多い作品です。
副題の「コンボイの謎」とは何?
この作品には「コンボイの謎」という副題がついているのですが、この「謎」というのは何なのでしょうか?
主人公であるウルトラマグナスは何のために戦っているのでしょうか?
このゲームの最終目標とは何なのでしょうか?
結論から先に言うと、「コンボイが謎の死を遂げたのですが、誰にやられたのかがわからないので、その謎を解け」ということです。
しかし、普通にクリアしても謎は解明されません。
隠れたボーナスステージがあり、そこにコンボイを倒した相手の絵が出るのですが、それについて特に説明もないため、予備知識がまったくないとこれが謎の答えなのかどうかもわかりません。
なお、ゲームの中では復活しませんが、アニメ作品の中ではのちにコンボイは復活します。
映画が放映されなかったのが「謎」の遠因?
日本では初代「トランスフォーマー」のアニメが放映が終わったあと、「トランスフォーマー2010」というアニメが放映されました。
ところが、「トランスフォーマー2010」が始まった時点で、初代の主人公であるコンボイは死んでいて、主人公がロディマスコンボイという別人(?)に変わっていました。
実はこの2作品の間に「トランスフォーマー・ザ・ムービー」というアニメ映画がアメリカで作られていて、そこでコンボイがどうなったのかという顛末(敵のボスと相打ちになり、その傷が元で死んだ)が描かれているのですが、どういう事情か日本では放映されませんでした。
なんらかの大人の事情があったのかと思われますが、そこは明らかになっていません(主人公や仲間たちが大量に死ぬから子どもにうけないとか、おもちゃの売り上げに響くという判断があったとかいう推測がされてはいます)。
※DVD化されているのですが、入手困難でプレミア化されています。
しかし、このままだと前作を見ていた子どもたちには事情がわかりません。
そこで、そのことを逆手にとって当時のタカラ社はこのゲームを開発。
「コンボイの死の謎を君の手で解くのだ」と当時の子どもたちに挑戦状を叩きつけました。
コンボイを倒した敵の名前を書いてハガキで送れば、特別な玩具(非売品?)がもらえるキャンペーンが行われたのです。
どの程度の応募があったのかは不明ですが、このゲームがあまりに難しく、ボーナスステージは後半にあるため、解明できた人は少数だったのではないかと推測されます。
コンボイの謎は実に惜しいゲームだった?
このゲームが難しいとされる理由は先述した敵弾が見えにくいということですが、実は一面以降はそれほど見えにくくありません。
こちらの的が大きいわりに、敵には攻撃が当たりにくいというのも悩みどころなのですが、例えばボタンを押す強さでジャンプの高さが変わるなど、自機の操作性は特別悪くありません。
当時のゲームなので、コンティニューが裏技となっており、攻略本かゲーム雑誌を買わないとわかりませんでした。
ステージ9は正しいコースを通らないと無限ループになる仕様となっており、しかもノーヒントです。
隠しステージがあったり、いろいろと工夫はされているのですが、やはりスタート直後にあっという間にやられるという印象が悪すぎたのでしょう。
そのため、早期に断念するプレイヤーが多かったのだと思います。
それだからこそ、伝説のゲームとして名を残した面もあるのでしょうが……
このゲームは2008年にWiiのバーチャルコンソールで配信されたのですが、その際公式サイトが「さらなるトラウマにならないように」と注意喚起をするほどでした。
余談・トランスフォーマー、元はダイアクロン
トランスフォーマーのアニメ自体はアメリカからの輸入品で、アメリカ発祥の作品かと思われがちですが、半分正解で半分間違いです。
トランスフォーマーのアニメの元になったのは、タカラ社が開発した「ダイアクロン」と呼ばれる一連の玩具です。
自動車などがロボットに変形するというシリーズです。
「ダイアクロン」というのは「ダイヤモンド」と「サイクロン」を合わせた造語です。
ライバル企業だったポピー社の「超合金」に対抗して「ダイヤモンド」とし、サイクロンのように旋風を起こしてほしいという願いが込められています。
この「ダイアクロン」シリーズがアメリカに輸出され、アメリカで独自の設定やストーリーが作られて逆輸入されたのです。
そのためダイアクロンシリーズは終了し、トランスフォーマーとして統一されることになりました。
アメリカでは最新技術を駆使した大作映画として放映されるなど人気のシリーズとなっています。
偉大なる日本発祥のコンテンツだと思います。
※当時の記憶とネット上の情報を元に記事を作成しました。
↓ゲームソフトもプレミア化しています。
ちなみにコンボイのスペルは「CONVOY」が正しいのですが、箱絵は「COMVOY」と間違っています。
こんなところも伝説ですね。
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