第2シリーズのアドリブ
学園ドラマの金字塔「3年B組金八先生」。
特に評価の高いのは第2シリーズですね。
第2シリーズの後半、直江喜一演じる加藤優と沖田浩之演じる松浦悟が不良生徒たちと共に荒谷二中に乗り込むエピソードがあります(加藤優は元々荒谷二中の番長で素行不良が過ぎたため、桜中学に転校させられていました。桜中学で立ち直った加藤でしたが、元の仲間たちが教師たちにより卒業式から排除される動きがあって助けを求めに来たため、やむなく乗り込みました)。
校長と生徒指導の教師を放送室に監禁し立てこもり、全校生徒が放送を聞いている中、最後は校長に謝罪させます。
感激した生徒たちから「加藤コール」が行われる中、警察官たちが乗り込んで来て加藤らは捕まります。
中島みゆきの「世情」をBGMにスローモーションで画像が流れ、加藤らが警察に捕まり、護送されていくシーンはテレビドラマ史上屈指の名シーンであり、後に多くのオマージュやパロディを生むなど、あまりにも有名です。
その後、金八と桜中学校長、荒谷二中の教師、保護者代表と警察らで話し合いが行われます。
激しい意見の応酬が長回しで撮影されていて、こちらも当時の俳優たちの力量の凄さを感じさせる名場面です。
最終的に金八や保護者代表らの尽力によって、加藤、松浦らは釈放されます。
このとき、釈放された加藤と松浦を金八が殴りますが、これは武田鉄矢のアドリブです。
加藤優のモノマネで有名な松村邦洋は「アドリブでふたりがひどく驚いている」とネタにしています。
しかし、一番驚いているのはふたりの後ろにいて、唖然と大口を開ける別の生徒です。
また、加藤優は桜中学に転校してきた初日、松浦悟に脚を引っ掛けられて転ばされます。
屈辱を感じた加藤は「なめるんじゃねえぞ!」と、立ち上がった直後に松浦を殴り、椅子やら机やらを放り投げて暴れ、クラスメイトたちを唖然とさせます。
このとき、脚本には具体的にどう暴れるかは書かれていなかったそうです。
加藤優を演じた直江喜一がどう暴れるか共演者たちは知らされていませんでした。
当の本人も身体が動くままに演じていたのかもしれません。
そのため、出演者たちは本当に怖かったということです。
第5シリーズのアドリブ
第5シリーズで金八が悪事を行った生徒を涙ながらに殴り、辞表を出しに行こうとするシーンがあります。
その際、桜田友子という生徒が前に出て金八にビンタをし、「これでおあいこ。先生、辞めちゃダメ!」という主旨のセリフを叫びます。
このビンタも最終回スペシャル特番で武田鉄矢が語ったところによると、桜田友子を演じた小高早紀のアドリブです。
武田鉄矢は体罰を振るうシーンを演じるのが嫌だったそうです。
「やっと終わったと思ったのに、余計な動きをしやがって……」と当初は感じたとのこと。
しかし、オンエアされた内容を見て、いいシーンだなと思ったとか。
過去にもう数人殴っている?
なお、先述した第5シリーズのシーンで金八が生徒を殴った際、「過去に殴った生徒は三人。自殺しようとした生徒と腐ったみかんの加藤優と松浦悟だけ」という主旨の発言をします。
しかし、実際、金八はもう少し多くの生徒を殴っていることが、これも最終回スペシャル特番の際に検証され証明されています。
そもそも、自殺しようとした生徒を殴ったのは第1シリースの第一話です。
一話目から愛のムチをふるっていたのですね。
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