少年少女に夢を与えて、サッカー競技人口を増やし、Jリーグを作ったとも言われる漫画「キャプテン翼」。
世界中でアニメが放映され、外国の有名サッカー選手もファンを広言するなど、偉大すぎるサッカー漫画です。
キャプテン翼・連載開始前
このキャプテン翼は連載が始まる前に、一度読み切りでお試し掲載されています。
そのとき、主人公翼とGK若林、そしてヒロインのあねご(当時は早苗ではなく、アキという名で、翼のチームのマネージャーだった)は幼なじみという設定でした。
すでに石崎も登場していました。
幼なじみではあったものの、通っていた学校は違い、このときの翼は若林に一度も勝ったことがない設定でした。
ヒロインまでも奪われそうな流れでしたが、最後の最後にペナルティエリア外からシュートを決めて勝利するというストーリーでした。
このとき、翼は翼太郎という名前でした。
この翼太郎が、連載開始後に大空翼と岬太郎に分かれます。
元々、同一人物だったふたりだから、「黄金コンビ」を組めるほど息がぴったりなのです?。
石崎もこの頃から登場しているからか、翼にとって「南葛に入ってから一番最初の友達」というポジションを与えられて、実力以上に優遇されています。
この読み切り作は高橋陽一傑作集「100Mジヤンパー」という単行本に収録されています。
日本人選手の名前由来およびモデル
大空翼
主人公の大空翼という名前の由来は、松山千春の歌、「空――翼をください」とされています。
無印版の最終回で歌詞が引用されている曲です。
ブラジルに渡るという設定は、当時、小学校卒業後にブラジルに渡り、話題になった水島武蔵選手(後のJリーガー)がモデルと言われています。
日向小次郎
翼の永遠のライバル、日向小次郎。
翼のモデルが水島「武蔵」なので、ライバルは「小次郎」となった説が有力です。
考えてみれば、長男なのに小次郎という名前なのも変ですね。
岬太郎、松山光、小田和正
翼の相棒、岬太郎の岬という苗字は、作者が好きな「岬めぐり」というフォークソングから取られています。
ふらの中のキャプテン松山光の名前は、同じ北海道出身の歌手松山千春からです。
ちなみに同じふらののCFには小田和正という、そのものズバリの名前の選手がいます。
若林源三
若林源三が俳優、声優、ラジオパーソナリティの若山弦蔵から来ているかは不明です。
しかし、作者がラジオを聞きながら、考えた可能性はありそうです。
中西太一
当初鉄壁だった巨漢のGK中西太一は元プロ野球選手の中西太が由来です。
西鉄ライオンズで若い頃から俊足と強打をいかして活躍し、怪童と呼ばれた名選手です。
若島津健
若島津健の名前は、大相撲の元大関「若島津」から。
プレイスタイルはプロレスラーのジミー=スヌーカからと言われています。
ポストを蹴って跳躍し、チョップを使うスタイルをヒントにしたとか。
葵新伍
葵新伍は、元日本代表の北澤豪選手がモデルです。
ビジュアル的には違うものの、中盤で豊富な運動量のあるプレイスタイルを参考にしたとか。
なお、北澤選手は作者の高校の後輩だったりします。
三杉淳
心臓病というハンデを抱えるガラスの貴公子三杉淳は、別漫画(赤き血のイレブン)のキャラクター美杉純が由来です。
心臓病という設定にもモデルがいます。
三杉については、別記事に詳しく紹介しています。

外国人選手の名前の由来およびモデル
シュナイダー
カール=ハインツ=シュナイダーは、ドイツ代表の名選手カール=ハインツ=ルンメニゲがモデルです。
80年代に活躍されたストライカーです。
「若き皇帝」という異名は「皇帝」と呼ばれた名選手フランツ=ベッケンバウアーから来ています。
ベッケンバウアーはDFではありますが。
シェスター
中盤で活躍するフランツ=シェスターは、華麗なプレイから「金髪の天使」と異名を取ったベルント=シュスターがモデルです。
作者によると、プレイスタイルは天才ドリブラーと呼ばれたリトバルスキー(Jリーグでも活躍したドイツ人)がモデルだとか。
ディアス
アルゼンチンのエース、ファン=ディアスはサッカー史上最高の選手とも言われるディエゴ=マラドーナそのものです。
マラドーナ同様左利きで、5人抜きドリブルも神の手ゴールも決めています。
ピエール
エル=シド=ピエールは「将軍」とも呼ばれていることから、フランス代表の中心選手ミシェル=プラティニがモデルと考えて間違いないでしょう。
ただし、ビジュアル的にはだいぶ違いますが……
ナポレオン
ピエールとコンビを組むFWルイ=ナポレオンについては、フランス皇帝ナポレオン3世がルイ=ナポレオンという名前だったので、そちらから名前を取った可能性もありますが、作者が存在を知っていたかは不明です。
適当にフランス人っぽい名前を付けた可能性も……
なお、有名なナポレオン1世(ナポレオン=ボナパルト、ナポレオン3世の伯父)は大砲を使った戦術が得意だったことから、彼のシュートがキャノンシュートと呼ばれるのはそこから来ている可能性が高いです。
ヘルナンデスとジェンティーレ
ジノ=ヘルナンデスはイタリア往年の名GKディノ=ゾフがモデルです。
スイーパーのジェンティーレについては、80年代に「殺し屋」と言われたエースキラーのジェンティーレという選手がいました。
マラドーナとも対決して苦しめた選手です。
ミューラー
ドイツ代表の鉄壁GKデューター=ミューラーのモデルはゼップ=マイヤーかシューマッハかと。
いずれもドイツの名GKです。
名前だけFWで「爆撃機」と異名を取った点取り屋ゲルト=ミューラーから取った可能性が高いかと。
リバウール
世界最高峰の選手と呼ばれるブラジル代表のキャプテンリバウールはバルセロナのエースとして活躍したリバウドがモデルです。
活躍した時期は短かったですが、神がかり的なプレイをたくさん見せる選手でした。
その他
名前だけなら、カルツ、ボッシ、タルデリなどは往年の代表選手に同じ名前が存在します。
シュミット兄弟はフェルスター兄弟あたりからの発想ではないかと思われます。
フランスジュニアユース代表には、アモロという日本戦で一度もボールに触れられなかったネタキャラとして人気のGKがいますが、昔、フランス代表にアモロスというDFがいました。
翼がプロ入りしてからは、ほとんどが実在選手の名前を一文字変えた程度になっただけで、ビジュアルもプレイスタイルも同じなので割愛します。

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