名作ゲーム【ドルアーガの塔】ドルアーガやギルやカイのモデルは?

地理・歴史系
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ナムコにより開発され、ゲームセンターやファミコンで大人気だったゲーム「ドルアーガの塔」。

難易度が高く、特に各面のアイテム探しは困難を極めました。

この「ドルアーガの塔」は「バビロニアン・キャッスル・サーガ」と呼ばれるシリーズの第一作であり、古代バビロニアの神話をモチーフに作られています。

この記事では主人公ギルやラスボスのドルアーガ、ヒロインであるカイらのモデルについて説明します。

「ドルアーガの塔」の基本情報

1984年に開発されたゲーム。

開発者は「ゼビウス」を開発したことでも有名な遠藤雅伸氏。

ファミコンを始め、各種ハードに移植され、「イシターの復活」などのスピンオフ作品も発売されている人気作品です。

主人公のギルが60階建ての塔に挑み、悪魔ドルアーガを倒し、国の力の源であるブルークリスタルロッドを取り返し、石にされた巫女のカイを救い出すのが目的です。

「ドルアーガの塔」の登場人物とそのモデル

ギル(ギルガメッシュ)

黄金の鎧に身を包んだ本作の主人公。

バビリム王国の王子という設定となっています。

モデルとなったのは古代オリエント、メソポタミア地域の王であり、古代都市ウルクの王であったギルガメッシュです。

紀元前2600年頃の王様で最古の文学作品と言っても良い「ギルガメッシュ叙事詩」の主人公でもあります。

ただし、実在したかは不明です。

母は女神とされ、半神半人として扱われています。

初めは有能すぎるゆえ、暴君なところがありました。

それを見た最高神アヌがエンキドゥというギルガメッシュと同等の力を持つ存在を作り上げ対決させます。

結果、引き分けて彼らは親友となり、ギルガメッシュは反省。

国民から愛される王となります。

エンキドゥと共に森の怪物フンババを倒す物語なども残されています。

その際には200キロ以上ある巨大な武器を使ったという記述も。

後には天の牡牛をエンキドゥと共に倒します。

しかし、ギルガメッシュとエンキドゥが力を合わせると神に近い力を発揮できることに気づいた神々がその力を恐れます。

そのため、エンキドゥが殺されるのですが、ギルガメッシュもやがて自分が死ぬことを恐れ、不老不死を求めるようになりますが、結局叶わず最期を迎えます。

死後、冥界の王となったという伝説も。

ちなみにテレビ東京系で「ギルガメッシュないと」というお色気番組が放映されていましたが、この番組のタイトルはギルガメッシュ王が精力絶倫であったことにちなんでいます。

ドルアーガ

8本の腕と4本の脚を持つ怪物(悪魔)。

緑色の鱗に包まれてもいます。

モデルとなったのはインド神話に登場するドゥルガーやカーリーとされています。

いずれも破壊を象徴する女神で多数の腕を持っていて、それぞれに武器を持っている存在です。

カーリーはドゥルガーから生まれた女神で、純粋な破壊的部分だけが抜け出た存在です。

ドゥルガーに関しては、決して悪い存在というわけではなく、敵に天界を奪われたのを奪い返すのに力を発揮したとされており、今も各地で信仰されています。

元はヒンドゥー教以前のインドで信仰されていた神ではなかったかという説が有力です。

両者ともインド神話の最高神シヴァの妻であるわけですが、シヴァの妻パールヴァーディの化身という説もあります。

カイ

主人公ギルの恋人でり、巫女でもあるカイ。

ドルアーガからブルークリスタルロッドを取り戻そうとして塔に向かいましたが石にされてしまいました。

このカイのモデルですが、シュメール神話に登場する大地の女神キとされています。

KIというスペルになるのですが、キでは呼びにくいので、ゲームではカイと読ませたのではないでしょうか。

キは天を司る神アン(メソポタミア神話ではアヌ)の妻です。

アン(アヌ)との間にたくさんの神を生んだとされています。

ギリシャ神話におけるゼウスの妻ヘラのイメージに影響を与えたという説もあります。

イシター

ギルやカイを見守る女神イシターは古代メソポタミアで信仰された女神イシュタルがモデルです。

このイシュタルは愛、生殖、豊穣、戦争、破壊、金星などの象徴ともされる非常に多くの神性を持つ女神です。

シュメールの神イナンナなど、複数の女神が習合されたものとされており、そのため多数の顔を持つと言われています。

愛の女神であり、多数の愛人を持っていたこと、金星を意味することから、ギリシャ神話におけるアフロディーテ(ヴィーナス)に影響を与えたとも言われています。

最高神アヌの娘でもあります(しかし、母はキではない)。

ギルガメッシュ叙事詩ではギルガメッシュに愛人となることを求めるのですが、イシュタルが飽きた男に対して酷い仕打ちをしていることを知っていたギルガメッシュに断られます。

それを屈辱に思ったイシュタルは父アヌに対して、天の牡牛を用意してもらい復讐しようとするのですが、ギルガメッシュと親友のエンキドゥに倒されてしまいます。

その結果、ギルガメッシュらの力を恐れた神々によってエンキドゥは殺され、ギルガメッシュは死を意識するようになるので、イシュタルは味方どころか悩ましい存在とも言えます。

キリスト教世界でアスタロトという悪魔が登場しますが、その語源となったのがイシュタルという説もあります。

一神教の世界では異教の神は悪魔となるわけですね。

最後に

モデルや神話を知れば、よりゲームが楽しめると思います。

また、ゲームから神話の世界に触れるのも勉強になるのではないでしょうか。

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