上杉謙信女性説……生涯独身は飯綱権現の信者だったから?

地理・歴史系
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「越後の龍」とも呼ばれた戦国武将、上杉謙信。

領土的野心を持たない潔癖な性格や、生涯不犯、妻を娶らずという事実から、女性だったのではないかという説が存在します。

最初にこの説を唱えたのは、作家の八切止夫氏だと言われています。

上杉謙信女性説・根拠いろいろ

月に一度戦を止めていた?

月に一度戦を止めるときがあったらしく、これは月経ではないかと推測されます。

死因は大虫?

死因は酒を飲んだあと夜中に便所に行って倒れたことから、脳溢血という説が有力です。

しかし、同時代の記録に「大虫」と記されているものがあり、これは女性特有の病気のことだとも言われています。

以下はWikipediaからの引用です。

三省堂明解古語辞典によると「大虫」は味噌の女言葉である。
味噌は赤味噌を連想させ、月経の隠語として用いられた(逆に、月経の赤色のイメージから、赤味噌のことを隠語で「大虫」とも言う。
「式亭三馬の浮世床にも『おめえんちの雑煮は大虫かい』と聞く表現がある」と八切は記している)。
ただし、八切は別の著書で「大虫」が月経そのものを指す言葉と解釈している。

謎の出奔は出産のためだった?

謙信は一度、国主の座に嫌気が差して謎の出奔をしていますが、妊娠、出産をしたのではないかという解釈もできます。

上杉景勝のおば?

スペインに残る宣教師の記録で「(謙信の甥である)上杉景勝は「おば」の残した金山をたくさん持っている」という記載があります。

この「おば」というのは謙信のことではないかとされています。

八切止夫氏はスペインにまで行き、この記載を見つけています。

女性的な衣装?

上杉神社には以下のような謙信の衣装が残されています。

ずいぶんと女性的なデザインに見えませんか?

源氏物語を愛読していた?

上杉謙信は源氏物語を愛読していました。

そこで、織田信長は謙信に源氏物語の屏風を送っています。

ですが、当時、屏風を送られるのは主に女性でした。

屏風は顔を隠すのに使われていたとも。

越後に伝わる瞽女唄に謙信を女性と見なす歌詞がある

瞽女(ごぜ)というのは盲目の女性のことです。

歌を歌って生計を立てていました。

この人たちが歌う歌の歌詞に「寅年寅月寅日に生まれたまんとら様は、城山さまのおん為に赤槍立ててご出陣。男も及ばぬ大力無双」
というフレーズがあります。

この「まんとら」が謙信のことを指しているとされています。

一時期謙信は「政虎」と名乗っていた時期があります。

描き足された不自然なヒゲ

謙信には有名な肖像画がありますが、他の武将の肖像画ではあまり見られない後から描き足したような不自然なヒゲが描かれています。

女性の城主は各地にいた?

実力勝負の戦国時代、女性の城主は各地にいました。

しかし、江戸時代に入り、朱子学の精神が入り込んで来ると、男子が後を継ぐというのが正しいというルールができました。

そこで、上杉家側が幕府からケチをつけられないよう謙信を男性と見なしたというのも、この節の根拠です。

肖像画にわざわざヒゲを付け足したわけです。

また、上杉謙信の遺骸は越後から米沢に移されていますが、一切学術調査などに上杉家の子孫たちは応じていません。

そこには何か調べられるとまずい理由があるのではないか……とも。

上杉謙信女性説の弱点

謙信は女人禁制の禅寺で修行しています。

後に女人禁制の高野山にも入山しています。

この点に関する合理的な説明がされていないのがこの説の弱いところです。

生涯不犯について

実際、妻を娶らず、生涯不犯であったことについては様々な説があります。

性的不能者であったとか、男色家であったという説まであります。

仏法を守ったからだという説もありますが、その割には大酒呑みで、敵を殺しまくっています。

兄の子に家督を返すつもりだった?

信憑性の高い説として、ひとつは謙信は病弱だった兄に代わって家督を継いだ経緯があるので、兄の子に家督を返すのが本来だと考えていた説があります。

しかし、これは兄の子が幼くして亡くなったため、実現しませんでした。

上杉謙信は飯綱権現の信者だった?

上杉謙信といえば、毘沙門天への信仰で有名ですが、実は戦勝の神である飯綱権現の信者でもありました。

事実、謙信の兜の前立は飯綱権現像です。

飯綱権現を熱心に信仰するものは神通力を得ると信じられていて、そのためにはケガレとなるもの(この場合、女性)と一生関わってはならないとされていました。

そのため、謙信は生涯不犯だったというわけです。

しかし、結果的に養子をもらうことになり、その養子同士が後継者争いをするのですから、生涯不犯は正解だったのかどうかは今では評価の分かれるところです。


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