水木しげる先生の代表作でもあり、何度もアニメ化されている妖怪漫画の名作「ゲゲゲの鬼太郎」。
この作品は、元々「墓場の鬼太郎」という作品でした。
タイトルどおり、鬼太郎は墓場で生まれました。
父母ともに幽霊族の妖怪でしたが、ふたりとも病気で死にかけていました。
父である「目玉の親父」は、元々身体を持っていた妖怪です。
死の直前にすべての力を目玉に集めて、有名なあの形になったのです。
一方、父親は死を免れましたが、母親は死んでしまいました。
母親はすでにお腹の中にいた鬼太郎と共に埋葬されるわけですが、鬼太郎は自力で胎内から生まれ、墓穴から地上に這い出ます。
しかし、まだハイハイがやっとの状態だったため、墓石の角に片目をぶつけてしまい、眼球を失ってしまいます。
そこで、空洞になった片目の眼窩に目玉の親父が入るようになりました。
この作品は元々、水木しげる先生のオリジナルではなく、元は他の人が考えた紙芝居の話と伝わっています。
しかし、当時、紙芝居作家でもあった水木しげる先生が出版社から命じられて、原作者の許可を得て話をふくらませていったとのことです。
鬼太郎も当初は「奇太郎」と書いたとか。
アニメ化される際、「墓場」という文字がタイトルに付くのはどうかという意見があり、水木しげる先生の愛称だった「ゲゲゲ」が使われました。
その後は何度もアニメ化され、日本を代表するアニメのひとつとなっています。
果たして、「墓場の鬼太郎」のままだったら、ここまでヒットしたでしょうか?
今となっては誰にもわかりません。