不朽の名作「ウルトラセブン」。
ウルトラシリーズの中でも屈指の傑作シリーズと言われ、「地球人とウルトラマン=正義」、「怪獣と宇宙人=悪」という概念を打ち破った深い作品でもあります。
この作品における雑学を3つ紹介します。
お蔵入りしている幻の回がある?
第12話に登場するスペル星人という宇宙人のデザインが被爆者をイメージさせる姿でした。
しかも、「ひばく星人」という形で紹介されたため、不謹慎ということでお蔵入りになっています。
当時は東西冷戦の時期で、原爆の恐ろしさを伝えたいという意識が製作者側にはあったようですが、被爆者の親族が朝日新聞に訴え出たことで騒ぎになったようです。
ウルトラセブンのスタッフの中に沖縄出身者がいたため、冒頭のような概念を打ち破る設定が作られたとされていますが、時代とはいえ、ひばく星人という名称にストップがかからなかったのは不思議ではあります。
ちなみにウルトラマン、ウルトラセブン両方に出演している「石井伊吉」さんは、毒蝮三太夫さんのことです。
当時は本名で活動されていました。
アンヌ隊員がセクシーだった一因は?
ひし美ゆり子さんが演じるヒロイン、アンヌ隊員は妙な色気があり、子供の目で見ても憧れを感じるほどでした。
ひし美ゆり子さん自身の美貌や色気はもちろんのことですが、実は当初アンヌ隊員は別の方が演じることになっていました。
その方に映画出演の仕事が入ったので降板したため、急遽、ひし美さんが演じることになったという裏話があります。
降板した女優さんはひし美さんより小柄だったため、アンヌ隊員の衣装はあのように身体のラインが出るピチピチの衣装となったのです。
だから、余計にセクシーに見えたのです。
明けの明星、宵の明星、言い間違い?
ウルトラセブンの最終回、アンヌ隊員の前で自分の正体を明かすモロボシ・ダン。
映像がシルエットだけになり、シューマンの曲がバックに流れる名シーンです。
この名場面でダンが語る「西の空に明けの明星が輝く頃、ひとつの光が宇宙へ飛んでいく。それが僕なんだよ、さよならアンヌ」という名セリフがあります。
しかし、明けの明星が輝くのは東の空であることから、明らかな間違いです。
脚本家の勘違いだという説があります。
一方、脚本家は本来このセリフを用意していなかったのですが、ダンを演じた森次晃嗣氏のアドリブで演じたところ、こちらが勘違いしていたという説もあります。
どうであれ、名シーンにかわりはないですが、真相が語られていないので、マニアの間では議論があります。
なお、このシーンでバックに流れていた印象的な曲はシューマンのピアノ協奏曲イ短調という曲です。
名指揮者カラヤンの指揮で、夭折した天才ピアニスト、リパッティが演奏しています。
リパッティ生誕100年、ウルトラセブン放送から50年を記念して、2018年にリマスター化され復刻盤が発売されています。
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