イスラム教徒は「インシ、アラー」などと言って、すべての出来事は神アラーによる思し召しと考えます。
しかし、神を意味する単語が「アラー」であり、「アラー」という名前の神様がいるわけではありません。
あまり知られていませんが、実はユダヤ教とキリスト教とイスラム教が祀る神は同一の神です。
神は唯一無二の存在であるため、同じということになるのです。
呼び方が「ヤーヴェ」だったり「アラー」だったりするだけです。
では、3つの宗教が揉めるのはなぜなのかというと、預言者を通じて神から伝えられた教えの解釈が違うからです。
例えば「豚を食べてはいけない」とか「断食をしないといけない」というようなことが、イスラム教では神から天使を通してムハンマドに伝えられたとされています。
しかし、ユダヤ教やキリスト教の預言者たちは、そんなことを聞いていないわけですね。
そのかわり、ユダヤ教ではヒレと鱗がある魚しか食べてはいけないというような戒律があります。
このあたりは当時の衛生状況から作られた戒律であるようですが。
3つの宗教は、すべての民族の起源がアブラハムという人物に遡ることから、「アブラハムの宗教」とも呼ばれます。
後発となったイスラム教では、元々、ユダヤ教とキリスト教のことを「啓典の宗教」と呼び、尊重していました。
エルサレムの街はユダヤ教とキリスト教にとっては発祥の地であり、イスラム教にとってはムハンマドが昇天した岩のドームがある場所なので、3つの宗教にとって特別な街であり、そのために争いが絶えません。
さらにパレスチナの地はユダヤ人にとって、神から与えられた約束の地であり、イスラム教徒にとっては長年住み着いて来た土地であるから、離れることができません。
イギリスによる二重外交の問題もあり、権利関係がこんがらがり、パレスチナ問題として現在も揉めています。
結果、現在では教義による争いなのか、土地に対する争いなのか、わけがわからなくなっています。
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